2025.12.09

ワンダーフォーゲル部 “これ登るの!?”から“登り切った!”へ~部員が挑んだ六甲山ロックガーデン~

12月7日、ワンダーフォーゲル部は六甲山で登山を行いました。10月・11月は天候に悩まされ続けていましたが、この日は久しぶりに天候に恵まれ、この時期としては暖かい気候とも相まって、心地よい環境の中で例会を実施することができました。近代登山発祥の地として知られる六甲山周辺では、明治時代以降、多様な登山道が整備されてきました。今回も、その数あるルートの中から最もポピュラーな、阪急芦屋川駅からアクセスするルートを利用しました。

駅を降りると、六甲山系の山麓を切り開いてつくられた住宅街を抜け、登山道の入り口である高座の滝を目指します。住宅地といえど侮れず、途中からはかなりの急坂が待ち受けています。本格的な登山は半年ぶりということもあり、この時点であちらこちらから「しんどい!」という声が聞こえてきました。両側から山肌が迫る場所まで進むと、ようやく高座の滝に到着。入口の茶屋に掲げられた「おでん」の文字に心惹かれた数名の部員が、「おでん食べてもいいですか!?」と必死に訴えてきます。たしかに、少し体を動かした直後に漂う出汁の香りは、食欲をそそられるものがあります。休憩時間内に食べきることを条件に許可を出すと、思い思いの具を注文し、美味しそうに頬張っていました。

さて、いよいよ登山道へ歩みを進めます。序盤にして今回のハイライトでもある「ロックガーデン」が目の前に立ちはだかり、初めて六甲山に登る部員からは「これ登るの!?」という驚きの声も上がりました。名前のとおり、普段の例会で訪れる山では見られない、岩がゴツゴツと露出した山腹を、手足を使ってよじ登っていきます。両手を使う場面や大きく足を上げる場面、中には鎖場もあり、普段とは異なるシチュエーションでの登山を体験できることが、この芦屋川ルートの醍醐味でもあります。初参加の部員は悪戦苦闘しながらもロックガーデンを登り切り、絶景スポットの「風吹岩」へ到着。ここからは眼下に広がる神戸の街並みと、その奥にある大阪湾を一望できます。いつまでも眺めていられそうなほど、気持ちのよいひと時でした。

お昼が近づいたところで、「横池」という池のほとりで昼食をとりました。いつもより少し長めに休息をとり、木々に囲まれた静かな湖面を眺めながら、穏やかな時間を過ごすことができました。お腹も満たされたところで、下山に向けて「東おたふく山」へ登ります。このルートの難しいところは、“ごはんを食べたらあとは下るだけ”ではない点です。空腹は満たされていても、足には着実に疲れが蓄積していきます。互いに励まし合いながら一歩一歩登り続けました。

時折、木々の隙間から傾きかけた太陽に照らされ、ほのかに橙色に染まった神戸の街並みを眺めることができました。落ち葉に覆われた道は、その下に隠れた石の影響で足を滑らせやすく、神経も体力もすり減らされる下りでしたが、全員無事に下山できました。

紅葉がまだ残る絶好の登山日和に恵まれ、今年最後の例会を締めくくるのにふさわしい一日となりました。しっかりとした登山が初めての部員にとっては、岩登りなど貴重な経験を積む機会にもなったと感じています。一度山に入れば、どれだけしんどくても自分の足で下りてこなければなりません。ワンゲルで鍛えた忍耐力を、ぜひ日常生活でも発揮してくれることを期待しています。